49杯目 明日11/23(日)、文学フリマ(東京ビックサイト)にて
カランコロン‥‥スナック「朝井」へようこそ。49杯目のお読み物をお届けします。
配信が長らく滞っておりすみませんでした!!! 新しい本を作っており、時間と気持ちをそちらに持って行かれておりました……。その分、面白いものができたので、皆さんにはぜひ手に取ってほしいと思っております。詳しくはこの後のお知らせコーナーにて。
【本日のおしながき】
・お知らせなど
・本というジャンルの生きる道
・お詫び飲み企画
◆お知らせなど
じゃじゃん! 新作はこちらです。
新しい本が出ます🎉
『「マウント」について考える』
2025年11月23日(日)文学フリマ東京にて売ります!
場所:東京ビックサイト 南3-4ホール【た-54】
今のところここ以外だと青森のTSUNDOKU BOOKSさんでしか手に入らないので、ぜひ買いに来てください! #文学フリマ #文フリ
現状、入手手段が11/23(日)の文学フリマ(場所:東京ビックサイト)しかないので、いらっしゃれる方だけが手に入る形になります。
他の手段で買える方法も検討中ですが、確約ができないので、いったんこちらだけ! になります。私はイベント登壇などは少なく、リアルの場で皆さんとお会いする機会があまりないのもあるので、いらっしゃれる人はぜひぜひぜひ!
100部限定のデザインもあるよ!
◆本というジャンルの生きる道
最近すごく、「本」というジャンルの生きる道を考えています。他業種で働かれていると、「なんか景気悪いっぽいな~」くらいの感覚でしかないかと思いますが、この業界にいるともう明らかに滅びの音が聞こえてきているんですよね。特に紙の本は、本をわりと読む側の私ですらほとんど買わなくなっています。置く場所ないしね……。
小説はともかく、私が主戦場にしているエッセイジャンルに関しては、無名の人が10年くらい前までが最後のひと花火だったと思っていて、10年前まではSNSを中心にネットでよくわからない活動をしている人が、なんかよくわからないツイートがバズるなどして、出版社から突然メールが来る現象が結構あったんですよ。私自身、実際に本が出たものを除いても結構いろいろな版元からメールが来ました。この「よくわからないネットの人に依頼」のパターンで、私がSNS黎明期からネットで仲良くしていた人たちも結構10年くらい前に1冊くらいは自分の本を出していました。もう今は「よくわからないネットの人に依頼」の流れはおそらくほとんどなくなっていて、あるのはYouTubeで登録者が100万人いる人に、日常についてのエッセイを書いてもらい、視聴者に確実に買わせる、というパターンでしょう。
ちなみに、「実際に本が出たものを除いて」ということは、出ないまま終わった企画もあるということですが……、そう、あります。特に私のように「ソロ活」というわかりやすいキーワードで注目されたケースだと、いつまでたってもソロ活関連の依頼しか来ないのです。もう書き切ったから書くことないよ、と思っていても、何かひねり出さなければならない。ひねり出そうとしてしばらく寝かせたまま、連絡をできずにフェードアウトしてしまったこともありました。無理やりにでも書いたほうが稼ぎ的にもブランディング的にも絶対よかったのですが、できなかった。思ってもいないことを書くのが私にはできなかったのです。
商業出版とはそういうもので、「思ってもいないことをお金のために書く」ことが平然と行われています。魂を売れるタイプの書き手ならば、思ってなくても、そこに情熱がなくても、売れるから書けてしまうでしょう。たとえAという本でさんざん書いた内容の焼き直しで、よく見たらほとんど同じ内容だったとしても、平気でBという本やCという本を出せてしまう、みたいに。エッセイやビジネス書など、いわゆる小説以外の本ではこういうことが起こっています。それでも人は買うし、ミニマムで見れば「同じこと書かれてるじゃん……」だとしても、マクロな視点で見れば大勢に届けばなんでもいいので、それができる人は書いたほうがお金になります。
エッセイストの多くが1冊か2冊を出してすぐに消えていくと言いますが、それはこういう商業出版(単発のエッセイ寄稿依頼も含む)で「同じキャラ」を演じさせられることに疲弊して、すり減ってしまうからなのかもしれません。私はソロ活だからまだいいですが、もっと自分の身を削るようなテーマで売れてしまった人は大変でしょうね。削り続けたら当然いつか、中身がなくなってしまうので。
一方で、ここ数年で文学フリマが盛り上がっていることがとても気になっていました。文学フリマ自体は昔からあるイベントですし、15年以上前に知人が出展しているのをきっかけに存在を知りました。いわゆる、高校の文芸部で自分たちで本を書いて作る、みたいなイベントで、昔はもっとそういう毛色が濃かったのではないかと思っております。
それが最近では、商業出版を生業にしている人たちが、こぞって自分たちの本を作るようになっている気がしておりました(SNSでちらちら目に入ってくる肌感覚で)。
確かに、実際作ろうと動いてみると、商業出版では「このテーマじゃないと売れない」とみなされてあまり自由に作れないのを、最初から「これを書きたい」「これが好き」のみで作れる。もうひとつ、一緒にポッドキャスト番組をやっているTSUNDOKU BOOKSのナガミネさん曰く「商業出版では取次とか間に入るたくさんの人たちにお金を取られちゃうけど、ああいうのなしでも本ってもう作れちゃうよ」。自分たちの「書きたい」で作った自費出版の本が、いくつかの本屋に置かれて売れ行きが伸びるケースも増えており、これからの本の生きる場所は、ここなのかもしれない、と直感的に思いました。
商業出版はこれからもっともっと廃れるでしょうし、10年以内には出版社も今の半分以下の数になると思います。本屋には売れることが確約された大ヒット小説や大ヒット作家の本だけが置かれるでしょう。それでも、文学フリマのような形で本は残り、本当に届けたいものを届けたい人に着実に届ける形で続いていく、そんな気がしています。だから私は、これから数年かけて自分で作る本を頑張っていこうと思っているのです。今回作ったのはその第一弾。これからシリーズ化していくつもりで作っています。
◆お詫び飲み企画
せっかく登録してくださっている方々へのお詫び企画として、
「少人数(3~4人)で飲もうの会」をやろうと思っております。
【どんな企画?】
・人数は3~4人で、少なめの人数でゆっくりたくさん喋れる!
・お店は朝井が選定。気になっているお店のリサーチも兼ねます。行ったお店がいつか番組や記事で使われるかも!? 普段朝井がどうやってお店探しをしているかも分かるかも!
・参加費は特になし。代金は飲み代のみ。
参加方法詳細は以下↓